離婚の話し合いがしたいのに、なかなか相手が話し合いに応じてくれない場合があります。
離婚を切り出した相手は、話し合いを避けて離婚したいと考えているかもしれません。
しかし、離婚はせずに修復を希望している方、相手と何とか話し合いで解決したいでしょう。
二人の話し合い「だけで」離婚できるようなら、その後の子育てなどにも協力体制が作れる可能性は残るけれど。その話し合いができない、離婚に至るまででも話し合いにならなかったのなら、離婚した後でいろいろ一緒にできるわけがないんですよ。
— 桂木裕 (@mayakima) July 30, 2022
この記事では、話し合いを拒む相手と修復したい場合の注意点や、話し合う前に相手が勝手に行動を起こした場合どうしたら良いのかなどをまとめています。
この記事はこんな方に向けて書いています
- 離婚を切り出されたが復縁したい
- 相手が話し合いに応じてくれない
- 話し合う前に「離婚調停」を申し立てられた
- このまま離婚しなきゃいけないの?
まずは、復縁したい人が、今すぐやるべきことを3つお伝えします。
〈話し合いができない〉離婚せず修復したい人がやるべきこと
相手に離婚を言い渡されたら、いますぐ次の3つをやるべきです。
- 相手に離婚理由を聞く
- 冷静に今後のことを考える
- 役所に離婚届不受理申出を提出する
相手に離婚理由を聞く
まずは相手と話し合いをして、何故離婚したいのかを聞きましょう。
しかし、相手がなかなか話し合いに応じない可能性もあります。
もしかすると、相手は浮気など、話し合いをするうえで都合の悪い事情があるかもしれません。
そのような場合、浮気をした側は「有責配偶者」となり、還俗的に離婚請求はできません。
相手がなかなか話し合いに応じない場合は、次章の「話し合いを拒む相手と復縁したい場合の注意点」を踏まえて慎重に行動してください。
冷静に今後のことを考える
次に、やるべきことは冷静に今後のことを考えることです。
相手との話し合い(離婚協議)で復縁が叶わなかった場合は、調停委員を交えた「離婚調停」に話し合いの場を移します。
それでも合意できない場合は、「離婚協議」の持ち越されます。
離婚は基本的に、浮気などの「法定離婚事由(民法770条1項)※」がない場合や、夫婦二人の合意がなければできません。
離婚したくない方は、以下の記事が参考になります。
役所に離婚届不受理申出を提出する
とにかく離婚は受けられない人は、役所に「離婚届不受理申出書」を提出しておきましょう。
相手に勝手に離婚届を提出されてしまうことを防ぐためです。
離婚不受理届け、出した方がいいのかな。
気持ちはもう半分離婚に向いてるんですが、ちゃんと慰謝料のこととか決まるまで、出していた方がいいんでしょうか。— サレ妻鉄人28号、離婚したよ! (@1221tetsujin28) March 12, 2020
「離婚届不受理申出書」を提出すると、夫婦どちらかが取り下げをしない限り離婚届は受理されません。
〈話し合いができない〉話しができない相手との復縁での注意点
話し合いを拒む相手と復縁したい場合は、以下のような注意が必要です。
- 無理に話し合いを求めない
- 話し合いができても一方的に復縁を焦らない
- 復縁したいという強い意志を持つ
無理に話し合いを求めない
話し合いを拒む相手に、無理に話し合いを求めるのはやめましょう。
あなたが話し合いを強く求めれば求めるほど、相手はあなたの未練や執着を強く感じて余計拒否するからです。
そのような場合は、離婚したいという気持ちを受けいれることを伝えましょう。
そして、そのうえで今後のことを話し合いたいというと、相手は耳を傾けやすくなります。
しかし、あなたが話し合いを求める裏で、相手は離婚に向けて着々と行動している可能性もあることを忘れてはいけません。
離婚になかなか進めないことに業を煮やし、勝手に「離婚調停」を申し立てることがあることを頭に入れておく必要があります。
また、別居になった場合でも、すぐに相手に連絡とったり、しつこくしたりすると嫌悪感を持たれてしまうために注意してください。
話し合いができても一方的に復縁を焦らない
話し合いができることになっても、一方的に復縁を迫るのは逆効果です。
相手は自分の離婚したい気持ちに納得してくれていると思って、話し合いに応じていることを忘れないことです。
そのような状態で、話し合いで即復縁を迫られたら、相手は二度と話し合いには応じてくれないかもしれません。
何度か話し合いを積み重ねていくうちに、相手は自分の気持ちを受け入れられたことを知り、あなたの話に耳を傾けてくれるでしょう。
けっして焦らずに相手の聞き役に徹し、感情的な言動は避けましょう。
とにかく売り言葉に買い言葉とならないよう、相手の話を聞く姿勢を忘れないことがとても大切です。
そして、自分の悪いところは解消する努力をしていることを、さりげなく伝えます。
復縁したいという強い意志を持つ
復縁したい人は、「絶対に復縁する!」という気持ちを持つことが大切です。
相手は離婚しか考えていないため、あなたに酷い言葉を投げかけるかもしれません。
それでも耐えられる強い気持ちがないと、望んでいた話し合いがとても辛い時間になってしまうでしょう。
自分は本当に復縁したいのか?をよく考えて行動しましょう。
ただ心配な点は、相手が離婚するために裏で勝手に行動を起こす可能性があることです。
〈離婚回避〉話し合いに応じず相手が勝手に行動を起こした場合
話し合いを避ける相手は、早く離婚したいがために、以下のように勝手に行動を起こす場合があります。
- 別居を切り出す
- 「離婚調停」を申し立てる
話し合いに応じず別居を切り出されたら?
話し合いに応じる前に相手が、別居を求めてきた場合、冷却期間として期限を決めて別居を受け入れてみるというのもありです。
しかし、子どもがいて離婚を話を持ち出すということは、それだけ離婚の意思が固いと考えられます。
その反面、別居を理解してくれて自分への心配りを感じたとき、相手から歩み寄ってくる可能性も捨てきれません。
ただし、相手が別居してすぐに弁護士を依頼した場合、直接連絡して交渉することが難しくなる可能性があります。
話し合いに応じず「離婚調停」を申し立てられたら?
離婚をしたがる相手が、勝手に「離婚調停」を申し立てた場合、裁判所に話し合いの場を移すことになります。
復縁を願うあなたにとって、「離婚調停」はそれほど悲観的なことではありません。
何故なら「離婚調停」は話し合いに応じてくれない相手と、調停委員を交えて話し合えるチャンスだからです。
「離婚調停」はあくまで夫婦の話し合いの場なので、けっして離婚が目的のものではありません。
そのため、復縁の道が閉ざされたわけではないことを覚えておきましょう。
以下の記事を読むと、「離婚調停」の詳しいことがわかりますので、さぜ参考にしてみてください。
〈離婚回避〉復縁を伝えるタイミングで最も理想的なのが同居中
復縁を望んでいる場合は、相手に復縁の意志を伝える最も理想的なタイミングがあります。
そのタイミングは「相手と同居をしているとき」です。
しかし、以下のようなときも、復縁の意思を伝えるタイミングがあります。
- 別居を提案されたタイミング
- 別居期間が長びきそうなタイミング
- 子どものことで連絡がきたタイミング
- 相手が弁護士に依頼するタイミング
最も理想的なタイミングは「同居中」
別居をしてしまうと、連絡ツールがメールや電話、LINEなどに限定されてしまいます。
離婚を熱望している相手は、あなたとの会話も拒否するいい機会になってしまうかもしれません。
同居をしている時に伝えることで、相手にストレートに思いが伝わりやすいです。
そして、復縁の兆しをけっして見逃がさないようにしましょう。
離婚したくないのに、話し合いができないときの奥の手「手紙」
話し合いができないような窮地の場合に、相手に気持ちを伝える手段として、「手紙」が夫婦関係修復の糸口になる場合があります。
「手紙」について知りたい方は、ぜひ下の記事を一読してみてください。
別居を提案されたタイミング
離婚したい相手が、話し合いより別居を提案してくることがあります。
その場合は、できるだけ相手に別居を思いとどまらせるため、別居のデメリットを伝えてみましょう。
具体的には、以下のとおりです。
- 二重に家賃・光熱費を支払う必要になること
- 家事を全て自分でやる必要がある
- 夫婦の老後や子どもの将来など不安に思っていることを伝える
- どちらかに婚姻費用(生活費)の支払いが必要になること
以上を伝えることで、別居を思いとどまらせて、復縁のきっかけになるかもしれません。
別居期間が長びきそうなタイミング
やむを得ず別居になってしまい長びきそうなときも、復縁の意思を伝えるチャンスまだあります。
一時的な夫婦の冷却期間としての短期間の別居であれば、問題ありませんが長引きそうなときは要注意です。
何故かというと、「離婚調停」や「離婚裁判」では、別居期間が長びくほど夫婦関係が元には戻らない破綻状態であると評価されてしまうからです。
他に細かい事情も考慮されますが、別居期間が3~5年になると「長期の別居」で離婚が成立する可能性が高くなります。
そのため、別居が長びきそうなタイミングで復縁の意思を伝えて、できるだけ相手の立場を考えてコミュニケーションをとることが大切です。
そして、可能な限り、相手が自分に対する警戒心や嫌悪感を取り除けるような雰囲気を作りしましょう。
そうすることで「離婚調停」や「離婚訴訟」で「長期の別居」と評価されにくくなります。
あなた自身も、相手の一方的な離婚の申し立てを拒否しやすくなります。
別居してから、相手に「離婚したい」と言われていなければ、復縁の可能性は高いです。
復縁のメリットを感じるような行動をとりましょう。
子どものことで連絡がきたタイミング
あなたに「監護権(子供と同居)」がある場合、別居をしている相手から「子どもに会いたい」と連絡をしてくることがあります。
そのタイミングで復縁を意思を伝えてみましょう。
特に、子どものことはお互いの共通の話題であるため、相手は積極的に話を聞いてくれる可能性が高いです。
しかし、相手は子どもがいるうえで離婚を決意しているため、子供を理由に復縁を持ちかけても簡単に受けいれるとは思えません。
できるだけ、復縁をあせらずに相手が連絡をしやすい雰囲気を作ることをおすすめします。
また、あなたに監護権がない場合は、「子供に会いたい」旨を伝えて相手を会ったタイミングで復縁の意思を伝えてみましょう。
相手が弁護士に依頼するタイミング
相手が弁護士に依頼する前に、修復の意思を伝えましょう。
何故かというと、弁護士が介入すると、相手と直接連絡がとれなくなる可能性が高いからです。
相手が弁護士に依頼するタイミングが、修復の意思を伝える最後のチャンスととらえて行動しましょう。
しかし、相手が弁護士に依頼してしまった場合は、「手紙」に復縁したい意思を書いて相手に送ることでしっかり自分の思いを伝えることができます。
「手紙」を書いて、弁護士から相手に渡してもらいましょう。
「手紙」が修復の良いきっかけになるかもしれませんし、弁護士も修復での「手紙」の有効性を認めています。
以下の記事を読むと、夫婦修復での「手紙」の有効性がわかります。
まとめ
離婚の話し合いができない方へ、修復に向けてやるべきことや解決法などを紹介しました。
基本的には「法定離婚事由」がなく、夫婦二人の合意がなければ離婚はできません。
そのため、安易に離婚に同意したり、冷静ではない状態で話し合いしたりするのは避けましょう。
コメント