夫婦喧嘩のすえ、離婚はせず別居を選ぶ夫婦はとても多いです。
お互いに顔を合わせるたびに喧嘩になって生活から、逃げたくなる気持ちはよくわかります。
しかし、離婚を望んでいない方にとっては、別居が不利になる可能性があります。
この記事では、復縁のための別居はありか?なしか?別居のポイントを詳しく説明しています。
この記事はこのような方に向けて書いています
- 別居しても復縁できるのか?
- 別居中だがこのままでいいのか?
- 離婚はしたくないが、別居中でなかなか話し合えない
復縁が目的の別居はありなのか?
復縁が目的の別居は、一定の状況下であれば効果的な選択肢としては「あり」です。
離婚を回避するための別居では、以下の5つのポイントがあります。
〈ポイント1〉冷却期間になる
別居は夫婦問題が起こった際、お互いがいったん冷静になるための冷却期間になります。
お互いに距離を置くことで、感情的な高まりを抑えて客観的に見つめ直す手段として有効です。
しかし、相手が離婚したい場合は、無意味に別居期間を延ばす作戦に出ることが予想されます。
〈ポイント2〉自己反省や改善の時間になる
別居後、これまでの自分の行動や発言を振り返り、何がいけなかったのか自己反省するいい機会になります。
そして、「今まで相手に感謝の気持ちを伝えてきたか」、「相手の話を最後までしっかり聞けたか」など、改めて気づきがあるかもしれません。
しかし、離婚したい相手に反省はなく、着々と離婚に向けて行動を起こしている可能性があることを肝に銘じておきましょう。
〈ポイント3〉コミュニケーション再構築のきっかけになる
別居で距離を置くことで、相手と定期的にコミュニケーションを持ちながら、再構築をするいいきっかけになるかもしれません。
ただし、それはお互いが離婚したくないという同じ思いをもっている場合のみです。
相手が離婚したいと思っている場合は、なんだかんだと理由をつけて、別居期間を引き延ばす可能性があります。
〈ポイント4〉お互いに復縁の意思がある場合は努力できる
相手も復縁を望んでいて、別居の目的が復縁の場合は、夫婦がお互いの共通の目標に向けて努力をするでしょう。
しかし、どちらかに復縁の意思がない場合、別居はただ単に離婚へのステップとなってしまうリスクを忘れないでください。
ネットに、実際に夫と離婚を考え別居をした女性の復縁成功事例がありました。
その方は、別居期間からけっして復縁を押し付けず、健気に自分と子どものために頑張る夫の姿を見て復縁を決めたようです。
〈ポイント5〉適切なサポートを受けて復縁の成功率を高める
別居中に専門家のカウンセリングを受けたり、調停などのサポートを受けることで、復縁の成功率が高まる可能性があります。
冷静な状態で専門家の助言を受けることで、問題の根本を理解し解決策が見つけられる可能性が高いです。
別居前に復縁について話し合うのが理想!
結論、離婚したくない方は、「別居前に相手と復縁についてよく話し合う」のが理想的です。
なぜかというと、別居後は連絡手段がメールやLINE、電話などに限定されてしまいます。
相手が連絡を無視するなど、こちらから連絡がとれなくなるデメリットが考えられるのです。
さらに、離婚したい相手は、別居後あなたの知らないところで、弁護士に相談して離婚調停を申し立てる可能性もあります。
さらに、別居前より後の方が相手の離婚への意思がより固まり、復縁へのハードルが高くなってしまいます。
それを避けるために、コミュニケーションを取りやすいように、できるだけ別居は避けて同居を続けていく方が得策です。
そして、別居を切り出された時こそ、復縁の話し合いをする絶好にタイミングといえます。
別居前に相手と復縁について話し合いができなかった場合
別居前に相手に復縁を伝えることができなかった場合でも、離婚したくないのであれば復縁のために行動すべきです。
夫婦がお互いに復縁を考えての別居であればいいですが、そうでない場合は別居が逆効果になることもあるからです。
さらに、別居後は相手が弁護士に依頼することも考えられるため、直接連絡ができなくなることも想定しておかなければなりません。
万が一、別居後に相手と連絡がとれなくなったら、相手に復縁の意思を伝えるための「手紙」を渡しましょう。
仮に、相手が弁護士をつけてしまっても、こちらも弁護士を通じて相手に「手紙」で復縁の意思を伝えることもできます。
離婚回避の「手紙」に関しては、以下の記事を一読してみてください。
別居は長びけば長びくほど復縁が難しくなる!
別居は一定の状況下であれば、夫婦関係改善の効果的な手段です。
しかし、別居期間が長びいてしまうと、復縁どころか夫婦関係が「破綻」しているとみなされてしまい復縁が難しくなります。
例えば、離婚を求める側が浮気や不倫などの不貞行為をした場合、一方的に離婚を求めることができません。
しかし、長期的に別居をした場合、離婚を認めてもらえる可能性が高まってしまうのです。
離婚をしたくない場合は、できるだけ別居を長引かせずに、早い段階で復縁交渉を行っていくことが大切です。
また、相手がなかなか話し合いに応じない場合は、裁判所に離婚調停を申し立てて調停委員を交えて話し合う方法もあります。
復縁を目的とした理想的な別居期間と一般的な別居期間
復縁を目的とした別居期間は、夫婦の状況や問題の深刻さによって異なります。
一般的には半年から1年が理想的とされていますが、実際は数ヶ月から1年程度の別居期間が多いといわれています。
それぞれの期間ごとに、詳しく見ていきましょう。
〈復縁目的の別居〉数ヶ月から半年
数カ月から半年間は、冷却期間として適度な期間であり、お互いが自分自身を見つめ直して夫婦関係を再構築するために最適といわれています。
別居中でも夫婦が復縁の意思があり、積極的にコミュニケーションを取り続け、問題解決に向けて努力している場合は比較的短い別居期間が多いです。
〈復縁目的の別居〉半年から1年
多くの専門家は復縁目的の別居期間は、6ヶ月から1年程度が理想的だと推奨しています。
別居期間が1年近くに及ぶ理由は、夫婦間の問題がより深刻であり、複雑な感情が絡んでいる場合が多いです。
夫婦間の信頼度が低く価値観の違いが大きい場合も、復縁までにはさらに時間がかかると考えてよいでしょう。
さらに、別居後夫婦間のコミュニケーションが途絶えがちな場合も、別居期間が長引きます。
しかし、この一年未満という別居期間中に、専門家のカウンセリングや調停を利用しながら、夫婦関係修復のために努力を続ける方々も少なくありません。
また、半年から一年という期間は、お互いに自己反省や改善のためには十分な時間とも捉えられます。
まだ、お互いに修復の意思が保たれている可能性が高く、適度な冷却期間・タイミングともいえる期間です。
〈復縁目的の別居〉1年以上
別居が1年以上続く場合、復縁の可能性が低い傾向があります。
何故かというと、長期的な別居で別々の生活に慣れてしまい、復縁の意志が薄れていく可能性が高いからです。
また、それぞれが新生活で新しい価値観を築き、再び一緒に暮らすことへの抵抗感が生まれる時期とも考えられます。
結果的に、復縁に消極的になってしまい、夫婦関係をさらに悪化させてしまう可能性も大です。
ただし、例外的ではありますが、1年以上別居してからでも復縁に成功したケースはあります。
裁判所の「夫婦関係の破綻」の判断基準
一般的に裁判所では3年以上の別居の場合、「夫婦関係の破綻」とみなされやすいようです。
しかし、裁判所では、別居期間の長さだけでなく、その期間の夫婦関係や別居になった経緯なども含めて総合的に判断します。
例えば、別居中も頻繁に連絡を取り合っていたり、夫婦間で協力関係が継続している場合は、「夫婦関係の破綻」とは認められない可能性もあります。
そのため、別居が長引いても頻繁に連絡をとったり、協力している関係を続けるのはとても大切です。
一年未満の別居 | DVや不貞行為など明確な破綻原因がない場合、夫婦関係が完全に破綻しているとみなすのは難しいとされている。 |
1~3年未満の別居 | 1~3年の別居期間では、夫婦関係の修復が難しいと判断されるケースがある。この場合、別居の理由やその間の夫婦の関わり方によって夫婦関係破綻の判断要素になる。 |
3年程度以上の別居 | 多くの裁判例では、3年以上の別居では、夫婦関係が破綻していると認められやすい。ただし、具体的な事情や夫婦の関係性、別居理由などによって異なり一概には言えない。 |
長期間別居している夫婦にはさまざまな理由がある!
別居を選んだ方のなかには、1年以上、3年、5年、10年、20年以上など、長期間別居を続けている方もいます。
そのような夫婦には、個々の事情や理由があり、事情によっては「別居」が最善だと選択した方も少なくありません。
長期別居を選ぶ理由としては、主に以下のような理由があります。
〈理由1〉感情的な理由
配偶者に対して、まだ愛情や未練が残っている場合は、ズルズルと別居を続けているパターンが多いです。
また、 離婚手続きに対して抵抗感があり、そのストレスを避けるために別居状態を続けていることもあります。
さらに、人によっては相手が勝手に出ていき一生許せないので、復習のために離婚もしないと決めたツワモノもいます。
〈理由2〉生活水準が保て生活スタイルに不自由していない
別居後、生活が安定しており離婚することで生活水準が変わるリスクを避けるため、別居を続けている方は少なくありません。
また、長期別居で新生活に慣れてきたことで、特に不自由さを感じないため別居状態を続けている場合もあります。
〈理由3〉税金や社会保障・離婚条件を有利にするため
離婚しない方が、税金や社会保障で有利なため長期別居を続けている場合があります。
また、離婚条件の「財産分与」や「年金分割」が複雑なため、経済的なリスクを避けるために長期別居で離婚を避けている方もいます。
〈理由4〉子どもがまだ未成年である
長期別居の理由として、子どもがまだ未成年であることが一つの理由としてあります。
婚姻を維持しつつ、別居状態を続けながら夫婦で子どもの成長を見守りたいという目的です。
〈理由5〉宗教・健康上の問題
長期的な別居には、「離婚はタブー」とされる宗教的な問題が関係する場合もあります。
また、夫婦のどちらかに健康不安があり、離婚はせずに別居で介護やサポートを続けている方もいるようです。
まとめ
復縁が目的の別居はあるのか?別居のポイントなどについて紹介しました。
一般的に、復縁のための「別居」はありです。
ただし、あまり長期的な別居をすると、「この夫婦は破綻している」とみなされてしまい、離婚理由と認められてしまう可能性が高いです。
そのため、離婚回避したい方は長期的な別居をすると、不利になる可能性があります。
それを防ぐためには、長期別居にならないように行動し、別居後もできるだけ相手とコミュニケーションをとり続けましょう。
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