夫婦関係が悪化し、夫や妻から離婚調停を申し立てられてしまった場合、離婚しかないのでしょうか?
離婚したくない人は、弁護士に相談すれば復縁できるのかわからない人は多いです。
離婚を回避して復縁したい場合でも、弁護士は依頼を受けてくれるのか、離婚回避を助けてくれるのかも疑問です。
離婚調停で、修復したいです。双方弁護士入ってます。
調停の体験談や、相談させて下さい。
— まるさん (@tsuresari11) December 16, 2022
ある弁護士は「自分の身を守るために離婚が必要な夫婦はいますが、離婚しなくても良い夫婦がたくさん離婚をしている」と感じているそうです。
現実、配偶者に離婚調停を申し立てられて、離婚はせずに復縁したいと考えている人は少なくありません。
この記事では、離婚調停で復縁したい方へ、弁護士選びを間違えないための秘策や弁護士依頼のメリット・デメリットなどをまとめています。
この記事はこんな方に向けて書いています
- 夫(妻)に離婚調停を申し立てられたけど復縁したい
- 離婚したくないので、離婚調停を復縁で合意させたい
- 離婚せずに離婚調停を終わらせるには弁護士は必要なの?
修復目的で弁護士に依頼するメリットの前に、修復目的での弁護士選びのポイントを紹介します
〈離婚調停〉復縁目的での弁護士選びの秘策
ここでは、復縁が目的の弁護士選びの秘策を2つ紹介します。
秘策①復縁に関心があり適切なアドバイスがもらえる弁護士を選ぶ
復縁に関心を持ち、適切なアドバイスをしてくれる弁護士を選びましょう。
全ての弁護士が復縁に関心を持っているわけではなく、カウンセラーでないため、復縁で悩んでいる人の精神的なケアはできません。
そのため、復縁で弁護士事務所に相談に行ったのに、あまり良いアドバイスがもらえず、セカンドオピニオンを求める人もいます。
弁護士事務所を探すときは、初回無料相談などに利用してまずは話を聞いてみましょう。
実際に会って話をしてみないと、自分に会う弁護士はなかなかわからないものです。
「離婚調停で復縁を希望する場合の弁護士選びの注意点(多治見ききょう法律事務所)
秘策②夫婦関係改善のためのコンサルティングを受ける
弁護士事務所によっては、夫婦関係改善のためのコンサルティングを行っているところもあります。
コンサルを受けることで、円満な夫婦関係を築くコツなどを知ることができます。
また、弁護士事務所によっては、カウンセラーが在籍しており、夫婦問題でカウンセリングを行ってくれるところもあるようです。
夫婦関係の悪化の原因の多くは、コミュニケーション不足だと言われています。
さらに、夫婦関係では、男女のコミュニケーションの違いも影響しているかもしれません。
コミュニケーションを学ぶことは、夫婦関係の改善にもつながります。
離婚・夫婦関係修復(せんとう法律事務所)
〈離婚調停〉復縁目的で弁護士に依頼するメリット
ある日、配偶者に離婚調停を申し立てられて、こちらとしては復縁したいんだけど・・・。
そんな場合でも、以下のように弁護士に依頼するメリットがあります。
メリット①夫婦のコミュニケーションについてのアドバイスがもらえる
1つ目のメリットは、関係が悪化した夫婦のコミュニケーションの取り方など、アドバイスがもらえることです。
夫婦間の問題での話し合いは、途中で険悪になり話し合いがとん挫することがよくあります。
弁護士は、多くの夫婦関係が悪化した人たちの相談にのっているため、相手の感情を逆なでしない伝え方などを知っています。
特に、夫婦だけだと興奮してしまい、話しができない場合は、弁護士のサポートを受けることで話し合いがスムーズに進むでしょう。
離婚したくない人は、調停での話し方やとるべき行動など、弁護士に相談しておくことをおすすめします。
メリット②調停委員とのやり取りをサポートしてもらえる
2つ目のメリットは、離婚調停でスムーズなやりとりができるようサポートしてもらえることです。
なぜなら、弁護士は私たちよりも、裁判所の考え方などを熟知しており、良いアドバイスが期待できるためです。
離婚調停は夫婦が面と向かって話し合うのではなく、調停委員を間にはさんで話し合いを進めます。
例えば、相手の話した内容を調停委員が聞き、調停委員からあなたに伝えてくれます。
逆もしかりで、あなたが調停委員に話した内容を、調停委員から相手に伝えるシステムです。
そのため、夫婦関係の復縁を考えている場合、調停委員に自分の離婚回避への強い思いを確実に相手に伝えてもらう必要があります。
そこで、自分の考えに共感してもらうにはどうしたらいいのかを、弁護士にアドバイスしてもらうのです。
また、離婚調停での話し合いが、相手の希望通りに離婚の方向に傾くことがあります。
そのような場合でも、弁護士にサポートをしてもらうことで、復縁へ軌道修正するための手助けをしてもらえます。
調停委員は, 調停に一般市民の良識を反映させるため, 社会生活上の豊富な知識経験や専門的な知識を持つ人や, 地域社会に密着して幅広く活動してきた人など,社会の各分野から選ばれています。
「引用:公益財団法人日本調停協会連合会(調停委員はどんな人?)」
メリット③調停条項の書き方のアドバイスがもらえる
3つ目のメリットは、調停条項の書き方のアドバイスがもらえることです。
離婚調停で夫婦間で復縁の合意がなされた場合、調停条項を作成する必要があります。
調停条項は、合意した内容を文書化したもので、具体的で明確な内容を記載することが大切です。
メリット④離婚調停不成立後のアドバイスがもらえる
4つ目は、離婚調停不成立後のアドバイスがもらえることです。
離婚調停で相手が最後まで復縁を望まない場合、調停は不成立で終了します。
その後、離婚したい相手は、「離婚裁判」を起こす可能性があります。
それでもなお、復縁に向けて動くのか、離婚するのかを決める必要があります。
離婚になると、慰謝料や養育費、親権、財産分与など離婚条件について決めなければなりません。
また、「離婚裁判」にならなくても、別居になった場合の婚姻費用(生活費)などの問題も発生します。
弁護士に依頼しない場合でも、弁護士に相談する機会を持った方が良いでしょう。
離婚をする・しないに関わらず、条件的に不利益を被らないためにも、弁護士のアドバイスは必要不可欠です。
〈離婚調停〉復縁目的で弁護士の依頼するデメリット
弁護士に依頼する際、以下のようなデメリットもあります。
デメリット①実績のある弁護士ほど費用が高くなる
一つ目のデメリットは、費用がかかることです。
弁護士事務所は初回60分は無料で相談できるところが多いです。
そして、正式に依頼する場合はおおよそで以下の費用がかかります。
- 相談料:5千円~1万円/30分
- 着手金:20万~50万
- 報酬金:20万~100万
これらを合わせると、約50~110万程度になり、実績のある弁護士ほど費用が高くなる傾向があります。
ただし、弁護士事務所によってプランなどがさまざまですので、直接事務所に確認してください。
これらの費用をかけて離婚調停にのぞんでも、離婚したくない人が望む結果になるとは限りません。
必ずしも、夫婦関係の復縁ができない可能性もあり、その場合でも費用は戻ってきません。
また、離婚調停が長引くことも考えられます。
そのため、弁護士にお願いする場合は、よく考えてから依頼しないと後悔するかもしれません。
デメリット②弁護士に依頼すると申立人に不信感を与える可能性がある
二つ目のデメリットは、離婚調停の申立人に不信感を持たれてしまう可能性があることです。
離婚調停を申し立てられた側が弁護士をつけると、申し立てた側は良い印象を持たないかもしれません。
相手は、「あなたとは徹底的に戦います」と言われているようなイメージを持ち、より離婚の意思を固めてしまう可能性があります。
そのような事態を避けるには、弁護士に依頼するのではなく、アドバイスをもらいながら調停を進めていく方法があります。
この方法であれば、相手に刺激を与えずに不利益を被らないように調停を進めることができます。
弁護士事務所によって、さまざまなプランがあり、自分にあったサポートしてもらうことが大切です。
デメリット③自分の弁護士の文書内容が申立人を怒らせる可能性がある
三つ目のデメリットは、弁護士の書面内容いかんによっては、申立人を怒らせる可能性があることです。
弁護士が裁判に関わるときは、自分が弁護する側が負けないために、相手の言い分に反論する機会が往々にしてあります。
弁護士の仕事柄、申立人の夫(妻)の言い分に対して、否定的な書面を作成してしまう可能性があるのです。
そのことで、夫婦関係が以前より悪化してしまう可能性があり、相手がより離婚への意思を固めてしまうかもしれません。
そのようにならないためには、けっして申立人を否定する書面を出さない弁護士に依頼しましょう。
依頼した弁護士に不信感がある場合
依頼した弁護士とコミュニケーションがとりずらいなど、不信感がある場合は以下の対処法を検討してみてください。
- 再度弁護士と話し合う
- セカンドオピニオン
- 弁護士事務所が所在する弁護士会に相談
- 弁護士を変更してもらう
復縁したい人が離婚調停をする前に考えるべきこと
ここからは、復縁したい人が離婚調停でやるべきことを紹介します。
離婚調停を復縁の話し合いができるチャンスと捉える
復縁を願う人は、離婚調停の場を話し合いができるチャンスと捉えることが大切です。
離婚調停は協議離婚で夫婦の話し合いで決着がつかず、夫婦どちらかが離婚調停を申し立てるケースが多いです。
そのため、夫婦間の連絡手段として手紙がありますが、相手から返事が来るとは限りません。
そんな状態の夫婦が話し合える場所は、裁判所の調停だけに限られます。
離婚調停では相手と顔を合わせずに、調停委員が間に入って話し合えるため、喧嘩になることもありません。
離婚調停が夫婦関係の修復の良い機会になることがある
離婚調停は調停委員を交えて話し合うため、夫婦二人だけの話し合いではわからなかった相手の本音を知ることができます。
例えば、復縁するために必要なことや、離婚後の一人暮らしの大変さなど。
これらのことは、夫婦二人だけの話し合いではなかなか気づける人は少ないでしょう。
たとえ、相手に離婚調停を申立てられたとしても、離婚調停を復縁のための絶好のチャンスの場にしてしまえばよいのです。
修復したい人は可能な限り「復縁」で合意させるべき
離婚調停で復縁を望む人は、離婚の意思がないことを貫き通すことで、離婚は成立しません。
その場合は、離婚調停での離婚は不成立で終わります。
しかし、復縁を望む人は、不成立よりは「復縁」での合意で終わらせるのが良いという考え方もあります。
例えば、別居中の夫婦が離婚調停で不成立になっても、生活に変化はないでしょう。
しかし、離婚調停の結果、「復縁」で合意ができたら別居が解消できるので、復縁に向けて一歩踏み出せるかもしれません。
そのため、離婚調停ではただ離婚をする・しないではなく、復縁や修復のための糸口を見つける場という認識を持ちましょう。
「復縁」で合意させるために奥の手を使う!
どうしても離婚調停を「復縁」で合意させたい人は、「手紙」という奥の手を使う方法があります。
「手紙」が復縁のきっかけになることが多々あるということは、実際に弁護士も認めているのです。
「参考:多治見ききょう法律事務所・復縁・夫婦関係修復したい人の離婚調停対処法」
(5.復縁・夫婦関係修復のための離婚調停外の対策参照)
「手紙」に興味のある方は、下の記事を一読してみてください。
離婚調停で復縁に成功した事例
解決事例①面会交流のなかで妻の気持ちが変化した
性格の不一致で離婚調停を申し立てられた夫が、調停で夫婦関係の修復に成功しました。
離婚調停当初は、妻も離婚を頑なに主張されていました。しかし幼い子供がいたことから、ひとまず面会交流を通じて様子を見ることになりました。面会交流を重ねる中で少しずつ当事者同士も交流するようになり、妻の気持ちに変化が現れ始めました。最終的に、今後の二人が婚姻関係を継続するにあたっての約束事を取り決め、円満和解が成立しました。
「引用:弁護士法人グレイス・離婚の解決事例)
解決事例②離婚調停不成立を経て離婚を考え直した
夫婦関係が冷め切ったため、妻が離婚を切り出し、離婚調停不成立後に離婚を考えなおしました。
調停不成立となった場合、次は離婚訴訟へと進むのか、もう一度やり直すのか、という選択肢を迫られることになるわけですが、ここでもう一度やり直そうと思う夫婦も実際には数多くいらっしゃいます。
「引用:弁護士保険の教科書・実際に復縁となった例)
まとめ
離婚調停で復縁したい方へ、弁護士選びを間違えないための秘策などを紹介しました。
離婚調停で復縁を目指すには、復縁に関心があり適切なアドバイスがもらえる弁護士に依頼しましょう。
そして、離婚調停で復縁をしたい人は、離婚調停を復縁の話し合いができる絶好のチャンスと捉えて計画的に行動することが大切です。
ぜひ、弁護士に依頼するメリット・デメリットを一読し、復縁をめざすための参考にしていただけたら幸いです。
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