基本的に、離婚は夫婦両方の合意がないと成立しません。
世の中には夫がなかなか離婚に合意してくれず、悩んでいる妻は少なくないでしょう。
- 何度話し合っても平行線で、離婚の応じてくれない
- 離婚したい気持ちを伝えても、話にならない
離婚をしたくない夫と、それでも離婚したい妻の心理戦はどこまで続くのか?
そこで、この記事では夫が離婚しない理由と妻が行った解決策を5つ紹介しています。
最終的には心理戦が結果を生むんだろうな。
離婚もお金で決まるのも分かるし…相手が現実を理解してくれない人だから調停員の説得も大事なんだと思う。— Aoki (@Aoki_2021_08) November 5, 2021
- 妻からの離婚の申し出を拒否する夫って何を考えているの?
- 夫が離婚に合意してくれないのは何故?
- 夫は離婚に応じてくれないのに、妻はどうやって解決したの?
- 離婚したい妻がやってはいけないこと
離婚をしたくない夫の心理には「自己中な理由」もある
離婚したくない夫の心理はどんなことが多いのか?
離婚したくない夫は、以下のような心理で離婚を拒んでいると考えられます。
- 世間体を気にしている
- 妻が離婚したい理由がわからない
- まだあなたに愛情が残っている
- 妻の再婚が許せない
- 妻に財産分与をしたくない
- 子どものことが心配で離れたくない
1.の「世間体を気にする」夫は、離婚をしたら親や職場、友人などの評価を気にします。
2.の「妻が離婚したい理由がわからない」場合、夫が妻の離婚したい理由を、理解できていない可能性があります。
夫は理由を聞いても、「そんなささいなことで?」と思っている節があり、妻の辛さがわかっていないのです。
3、4.は、夫があなたにまだ愛情が残っているのがわかります。
そして、5は離婚の意思がない夫は、一方的に離婚をせまられたうえに、財産まで取られるのが嫌だという気持ちの表れと考えられます。
特に、不貞を行った夫の場合、プラスで慰謝料が発生するため、離婚を拒む可能性が高いです。
最後の6は、離婚に納得できても、子どもに会えなくなるのを恐れて離婚を拒みます。
また、このほかにも、夫が自覚のないモラハラの場合、離婚話を聞くことすら嫌がります。
モラハラ夫の特徴は、自己中心的でプライドが高く、問題が起きると他人の責任転嫁をする傾向があります。
さらに、自分に自信がない反動からか、他人を見下す人が多いです。
何かあったらすぐに離婚だと言ってくるDV・モラハラ加害者って、逆に被害者側から離婚を求めてきたらなんだかんだ理由をつけて離婚を拒否することが多いです。
本気で離婚をしたかったわけではなく、離婚をつきつけることによって被害者を困らせ自分の要求を通そうとしていただけだからです。
— 弁護士 柴田収@「毒親絶縁の手引き」絶賛発売中 (@themis_okayama) May 25, 2023
モラハラ夫の場合は、妻を困らせたいから、離婚に応じないということも考えられます。
離婚したくない夫が合意しなくても離婚できるケースがある
離婚したくない夫が、注意しなければならないことがあります。
それは、いくら離婚に合意しなくても、一方的に離婚が認められるケースがあることです。
民法第752条では、下記のような規定があり、夫婦の同居義務、協力義務、扶助義務について決められています。
第752条夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。
「引用:離婚弁護士相談ガイド〈離婚の基礎知識〉」
このなかで、「扶助義務」とは、夫婦が助け合い衣食住などで、生活が維持できるよう必要な生活費をまかなうことです。
例えば、家計を支えている夫が、生活費を入れなくなり、生活が破綻するようなケースを「悪意の遺棄」といいます。
さらに、民法第770条第1項では、次のように定められています。
第770条
1.夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
1.配偶者に不貞な行為があったとき。
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3.配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
「引用:民法第770条 – Wikibooks)
不貞行為 | 配偶者以外の異性と性的関係を持つ 例)不倫、浮気 |
悪意の遺棄 | 正当な理由なく民法第752条の夫婦の義務を怠った場合 例)夫が家出や別居をして、妻に生活費を渡さない |
配偶者の生死が3年以上明らかでないとき 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき |
離婚事由に該当 |
その他婚姻を継続し難い重大な事由 | DVや浪費癖など |
離婚したくない夫がこれらに該当する場合は、夫の同意がなくても離婚が成立する可能性があります。
それでも絶対に離婚を回避したい男性は、次の記事を一読してみてください。
夫に離婚を拒否された妻が実際に行った解決策4つのケース
私は以前「離婚したい」と思っていたけど、今は離婚に向けて調停や裁判を起こすことをせずに、夫婦カウンセリングに通い夫婦仲の改善に挑戦している
私は「離婚しない」を選択した状態である
「夫が離婚してくれないから仕方なく離婚せずにいる」ではない
私がやりたい方向に向かっている状態である
— aromi (@mymelody8765) April 21, 2023
「夫が離婚してくれない」「どうしたら離婚できるの?」と、離婚を拒否された妻はどんな解決策を見つけたのでしょうか?
以下、5つのケースをそれぞれ詳しく紹介します。
自分は離婚したいのに、夫から「離婚したくない」と言われてしまい困惑した妻。
妻が最初にするべきことは、本当にやりなおす気はないのか、離婚一択なのかをしっかり考えることです。
そのうえで、やはり離婚したいという場合は、さきほど紹介した民法第770条第1項の「法定の離婚原因」が該当するかを考えます。
「法定の離婚原因」に該当する場合は、法定の離婚理由があるとみなされて離婚できる可能性があります。
「法定の離婚原因」が該当するかは法律の専門家に相談しましょう
上記のような離婚をしたい妻が、弁護士に相談しました。弁護士は「夫と話し合ってもなかなか離婚に応じてくれない場合、まずは家を出て別居してください」といっています。
話し合いで決着がつかない場合は、裁判所に離婚を認めてもらうことになりますが、その前に別居の実績を作ることが大切といいます。
長期間別居をしたことで、「この夫婦は婚姻関係が破綻している」「夫婦関係の実態がない」と裁判官が判断する要素になるのです。
そのため、どうしても離婚がしたい場合、まずは家を出ることが大切だということです。
相談者さんの場合は、一度も同居をしていないため、一般的な夫婦とは事情が違います。
その場合、現在は離婚を前提とした別居であることを、裁判官にわかるように証拠を残さなければなりません。
一番の証拠になるのが「離婚調停」です!
弁護士は「離婚調停」の申し立てで、離婚の意思が強く伝わるため、相談者に「離婚調停」をすすめたようですね?
さらに、弁護士は夫より年収が少ない妻の場合、「離婚調停」と同時に「婚姻費用分担調停」請求することをおすすめしています。
何故、「婚姻費用分担調停」が必要かというと、離婚が成立するまで、収入の多い方が少ない方に婚姻費用を支払うきまりがあるためです。
「婚姻費用分担調停」をすることで、夫が離婚を考えるきっかけになるかもしれません。
「離婚調停」のほかには、メールやLINE、手紙などで離婚の意思があることを残す方法もあります。
気をつけたいのが、家を出るときに「離婚したい」という意思表示をしないで出ると、探されてしまう可能性があることです。
「離婚に応じてくれない夫と離婚するには?:円満離婚弁護士・アカシ」
上について、離婚をしたくない夫(40代会社員)が、修復について弁護士に相談しました。
妻は、「夫からのDVを受けていた」と主張し、修復は難しいと思われたケースです。
しかし、夫は謝罪の手紙を送ったり、修復について調停で話し合った結果、修復に成功しました。
謝罪の手紙で修復が成功することもあるんですよね?
このケースでは、弁護士が夫に謝罪をすることを提案した結果が、うまく実を結んだようです。
修復をのぞむときに一番大切なことは、相手がなぜ離婚をしたいのかを理解することです。
「参考:かもめ法律事務所・離婚5」
謝罪の手紙にご興味のある方は、以下の参考記事がおすすめです!
ぜひ一読してみてください。
夫の身勝手な性格が嫌で、離婚したい妻が子どもを連れて実家に帰ってしまいました。
この場合、弁護士は夫に以下のような行動を提案します。
- 妻が出て行ってすぐ、離婚したくないこと、戻ってきてほしいことを伝える
- 妻の両親を交えて話し合う
- 自分の悪いところを認めて、謝罪する
妻の両親を交えて話し合いすることで、事態が好転することがあります。
しかし、親が自分の子どもに肩入れしてしまう可能性もあるため、絶対成功するとはいえません。
夫が自分の悪いところを認めて謝罪することで、離婚したい妻は「話せばわかってくれるかも?」と気持ちを軟化させるかもしれません。
その結果、実家に逃げるほど思い詰めていた妻は、夫に不満を落ち着いてはなしてくれるようになります。
このように、夫が反省し改善を約束することで、妻の気持ちが変わり夫婦関係の修復に成功するケースもあります。
夫はとにかく自分の非を認める、改善の意思を見せることが大切なんですね?
離婚したい妻がやってはいけない4つのこと
離婚をあせるあまり、妻が夫にしてはいけないことは下記の4つです。
- 勝手に離婚届けを提出する
- 言葉の暴力を浴びせる
- 黙って家を出る
- 不倫をする
勝手に離婚届けを提出する
早く離婚したいあまり、夫に何も言わず勝手に離婚届けを提出するのは辞めましょう。
離婚届は、夫婦の両方と証人の署名が必要なので、勝手に夫欄に署名をすると、「有印私文書偽造罪」に問われます。
夫が知らなくても、後日「離婚届受理通知」が郵送されるため、必ずばれます。
さらに、夫に離婚無効の裁判を起こされたり、慰謝料請求をされることもあるので注意してください。
言葉の暴力を浴びせる
夫が離婚に応じてくれない妻は、感情的になり言葉の暴力を浴びせてしまいがちです。
そのような姿を見た夫は、妻はいま感情的で冷静ではないので、勢いで離婚をしたがっている」と思うかもしれません。
また、モラハラや脅迫として受け取られてしまうと、妻が「有責配偶者」になってしまう可能性があります。
「有責配偶者」とは離婚の原因を作った配偶者のことで、立場が逆になってしまうのです。
裁判では、有責配偶者からの離婚請求は認めてくれません。
そうなると、離婚はますます遠のいてしまいます。
離婚の意志が固ければ硬いほど、極力冷静でいなければいけません。
黙って家を出る
夫に黙って家を出てしまうと、第752条の夫婦の扶助義務を怠ったとみなされてしまうかもしれません。
また、子どもを連れて行った場合、夫に不当な連れ去りとみなされてしまい、審判をおこされる可能性もあります。
家を出て実家に帰ったり、別居をするときは、必ず夫に離婚を前提とした別居であることを伝えましょう。
これは、後に裁判に発展した時に、離婚の意志がある別居を証明するためにも必要です。
顔を合わせたくない場合、メールやLINE、手紙などで伝えても大丈夫です。
不倫をする
夫がなかなか離婚に応じてくれないとき、腹いせなどで不倫をするのは絶対にやめましょう。
夫は妻が不倫相手と一緒になることを絶対に阻止するため、よりかたくなに離婚を拒否するかもしれません。
そうなると、妻はますます不利になります。
そして、不倫をしたことで、妻が「有責配偶者」になってしまい、離婚請求が認められなくなり慰謝料請求される事態になるかもしれません。
まとめ
離婚したくない夫の心理や、離婚を拒否された妻がとった解決策・やっていけないことなどを紹介しました。
離婚したくない夫は、いま妻に未練があるか、妻の離婚理由に納得していない可能性があります。
また、夫が離婚したくないといっても、一方的に離婚が認められるケースがあるのを、知っておきましょう。
離婚問題では、それぞれの家庭で状況が違うため、一概にこれが正解ということがありません。
この記事を、参考にしてよい解決策を見つけてください。
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